「sumika」の人を惹きつける理由は、3つのパワーと人生を豊かにしてくれるメッセージ

アーティストの良さをそれぞれの角度から語ってもらう企画「某アーティストのマニアに聞きました。」 #ボーマニ。

今回は「sumika」について、8年近く追い続けているというkoromoさんにお話を伺いしました。

-今回はsumikaについて語っていただきます。それでは、koromoさんよろしくお願いします!

よろしくお願いします!

sumikaを始めて知ったのは?

2014年、中学生の時から、かれこれ7年半以上追い続けています。

-sumikaというバンドについて簡単に教えてください!

4人組のバンドで、Vo.&Gt.の片岡健太さん、Gt.&Cho.の黒田隼之介さん、Key.&Cho.の小川貴之さん、Dr.&Cho.の荒井智之さんがメンバーです。

ベース担当がいないので、ライブでは毎回サポートメンバーがついていますが、最近ではDJがつくこともあります。

というわけで、ライブでは少なくとも5人編成、多い時は10人ほどの編成ですね。

-大所帯ですね!

メンバーは4人なんですけど、そういったさまざまなサポートメンバーの方を含めてsumikaは活動をしています。

-サポートメンバーを入れるバンドは多いですが、ベースがいないのは珍しいですね。

そうですね。ベースに関してはいろいろな方がサポートメンバーに入って演奏されています。

-元々、結成した理由はなんだったのでしょうか?

小川さん以外の3人と別のメンバーで組んでいたバンドが解散した後に、sumikaを結成したんです。

小川さんはsumika結成後の加入ですね。

-以前のバンドのファンだった方がその流れでsumikaのファンにもなっている話は聞きますね。曲調的にはどのような感じなのでしょうか?

初期の頃からロックもあればポップやバラードもあって、ジャンルの幅の広さが彼らの魅力だと思います!

ポピュラーなのは「Lovers」をはじめキラキラした曲が多いですが、ゴリゴリのロックな曲もあれば、すごいしっとりとしたバラード、最近はダンスミュージックや打ち込みの曲もありましたし、益々幅が広がってきています。

-打ち込みの曲!タイトルは?

「Babel」という曲です。楽器隊はなしで、片岡さんとDJだけの構成です!

-私もDJやっているのでそれはテンション上がりますね!

曲調もそうですが、PVはすごくバイオレンスで激しく、いつもとのテンション差にビックリすると思います。

全然ポップじゃないです(笑)。

人をハマらせる"ライブ力"

-新しいことにもチャレンジしているんですね!そのあたりも7年半の間にいろいろと変遷があっていると思いますが、そもそも好きになったきっかけは?

中学2年の時、大阪にある大型CDショップに出かけて、たまたま手に取ったのが「I co Y」(いこい)というアルバムだったんです。

そのまま視聴機で聴き、「いい曲だな」と思ったことがsumikaとの出会いでした。

ただ、その時はお金を持ってきていなくて買えなかったんですが、タイミングよく翌週にsumikaがインストアライブをするという告知を見つけて、母を連れてそれに参加しました。

それが初めて見たsumikaのライブで一目ぼれし、CDも購入したうえに、サインもしてもらえたんです!

-「I co Y」で初めて聴いた曲は何でしたか?

1曲目の「ソーダ」です。

イントロを聴いた瞬間に衝撃を受けて、すぐに心を奪われました!

-私もイントロがすごく好きです!インストアライブで聴いて、さらにsumikaの魅力を感じた点はありましたか?

ライブがアコースティック形態だったんですが、その形のライブを見ることも、あれほど近い距離でバンドを見るのも初めてでした。

メンバーの顔をその時初めて知ったんですが、すごく温かい雰囲気をもったバンドだなと感じましたね。

-なるほど!出会ったあと、sumikaにハマったタイミングはまた別だと思いますが、どうでしょうか?

初めはライブのキャパも40~50人程度だったのが、やがてZeppになり、大阪城ホールや武道館になっていきました。

ですが、どれだけキャパが増えようとも、ライブでは何千人を相手にではなく、1対1で向き合って演奏してくれることは変わりませんでした。

そういうことが彼らの魅力だし、私がハマっていった理由だったと思います。

-1対1の部分、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?

片岡さんがよくMCで「人は物理的に孤独になってしまうことはあるけど、精神的に孤独になってしまうことはsumikaの音楽がさせない。あなたにずっと寄り添います」と言ってくれます。

箱が大きくなると物理的にsumikaとの距離は遠くなるけど、音楽を伝えてくれる姿勢はインストアライブで見たあの時と変わらないことを感じられるのが、sumikaのライブの良さです。

-MCと同様、曲や演奏でもそれを感じられることはありますか?

ライブで、2つの曲のどちらを演奏するかをオーディエンスに決めてもらうことがあります。

今春のツアーでもそのコーナーがあり、『過去の恋愛を歌った曲』『現在進行形の恋愛を歌った曲』のどちらが良いかというもので、その時は『過去の恋愛曲』の方になりました。

-ちなみに、どのタイトルでしたか?

過去の恋愛曲が「sara」。歌われなかった現在進行形の方はおそらく「坂道、白を告げて」だったと思います。

今回はどういう選択肢、曲なのかな、とか想像するのも楽しいですし、同一ツアーの複数公演に行く時は違うコンテンツを用意してくれるなど、何回も行くファンでも楽しめるようにしてくれるんです。

-曲を変えるだけでなく、それ以上に違った楽しみ方もさせてくれるんですね!それ以外にライブで印象に残っていることはありますか?

片岡さんのMCが本当に素敵で、何回か足を運ぶとMCの内容で次の曲がわかってきます(笑)。

「雨天決行」という曲をやる前に必ず言うのが、「雨が降っても槍が降っても止めない覚悟」という言葉。

この言葉を聞いて、演奏を聞き、盛り上がるのがライブならではですごく好きなんです!

-何回同じセリフを聞いてもテンション上がることってありますよね!

「オレンジ」という曲でも、「ただいま」「おかえり」が言える場所っていいよね、ということを歌った曲なんですが、最後に「いってらっしゃい」という言葉を付けて演奏を終えることが多くて。

いつでも戻ってこれる場所があるから、次に行けるというメッセージが込められているので、すごく好きな曲ですね!

sumikaの神髄は演奏力にあり!

-音楽好きな人の中にはライブハウスしか居場所がないという方も少なからずいらっしゃる中、ここに居ていいんだと思わせてくれる空間づくりを出来るのは素敵ですね!ライブ以外にもsumikaの魅力はありますか?

大前提としてバンドとしての演奏力が高いことですね!

私も小学校~大学と、ドラムをメインにギターも演奏していますが、実際にプレーするとメンバーがどれだけ難しいことをしているかがわかります。

ましてや、ギターの黒田さん、キーボードの小川さんは弾きながらハモっていますし、小川さんに関してはメインボーカルや片岡さんとのツインボーカルを担当することもあります。

片岡さんも多くの曲でギターを弾いていますが、3人で演奏しながらハモっていてすごいし、すごく綺麗なんです。

-読んでくれる人の中には共感してくれる人もいると思いますが、この曲のこのフレーズがすごいという点はありますか?

「Summer Vacation」という曲があって、すごくアンニュイでエモーショナルな曲なんですが、アップテンポな曲よりもごまかしがきかない。

そのアウトロで、ドラムの5連符が入った部分があってすごく好きなんですが、ライブになると少し変わるんです。

誰も気づいていないと思うんですが、少しパターンを変えていて音源と違うと思って興奮していました!

-自分の好きなフレーズで意気なことをされるとたまらないですね!他にもありますか?

なかなか選べないですが、皆さんが共感してくれそうな点で言うと、「溶けた体温、蕩けた魔法」でのライブバージョン!

小川さんのピアノと片岡さんのボーカルで始まるんですが、シンプルな構成がすごく好きです!

シンプルになるからこそ、より一つ一つの音を感じることができるようになり、ピアノの一音一音が響くんですよね。

アルバム「Chime」を引っ提げたツアーの大阪城ホール公演で聴いた時、ゾォーっと鳥肌が立ちましたし、気持ちもよくて最高でした!

-ぜひ音源を聴いて気になった方にはライブにも足を運んでもらいたいですね!音源とライブ、どちらも楽しめるバンドは素敵ですね!

ライブバージョンを聴きにライブに行っているところはありますからね。

どういうアレンジや構成でくるのかというのは毎回楽しみです!

-ワクワクで言うと、私も一回ワンマンに行った時におもちゃ箱みたいだなという感想を持ちました。ステージもキラキラしていて華やかでポップな曲が多く、そういうのが楽しかった印象でした。

毎回ステージセットも豪華で、それも楽しみですし、会場が大きいほど演出も映えますからね!

最大の魅力は"ファン想い"なこと

-ライブ、そして演奏力について語っていただきましたが、他はどうでしょうか?

人想いなところも好きです!

2018年にファンクラブ「ATTiC ROOM」ができましたが、その6月に武道館で行ったフリーライブでスタッフ1人1人を長い時間かけて紹介する動画を流してくれて。

普通のアーティストがしないようなことをするのが好きですし、そのおかげでスタッフさんの顔も覚えられました(笑)。

片岡さんが今年出版した「凡者の合奏」という本にも、そういうことがいっぱい書いてあるんです。

-すごい!その本はどういうものなんですか?

片岡さんの自伝で、生まれてから今日までのすべてが載ったエッセイです。

インタビューなどではなく、すべて自著なんですけど、こんなに文章書ける人なんだということもわかりましたし、人となりも改めてわかったと言いますか。

sumika結成については224ページ目でようやく言及されているくらい終盤ですから、基本的には片岡さんご自身の話。

成功の話はほぼなくて、失敗や挫折ばかりで飾らずに書かれているので、それが素敵なんです!

-私は読んだことがないのですが、曲の中に内容が反映されているようなものもありますか?

「ここから見える景色」という結婚式の曲なんですけど、これから結婚される方に向けて書いたことが伺えるものでした。

あとは裏話も書かれていて、一度声が出なくなって活動休止していたことがあるんですが、その間のことも赤裸々に書かれています。

ファンであれば、衝撃を受ける内容も書いてあってそれが印象的でしたね。

-そこまで知ることによって愛情が深まることもありますもんね!

これを読んでさらにsumikaが好きになりました!

-素敵ですね!演奏もすごく、ライブもすごいし、人も大切にしてくれる素晴らしいバンドですが、さらに楽曲自体の素晴らしさも伝えたいので、入門で聴くのにオススメな曲を教えてください!

初めて聴く人にオススメしたいのは、やはり「ソーダ」です!

代表曲はいくつかあると思いますが、私自身が思う"The sumika"はソーダなんです!

イントロの爽快感と反して、少し寂しい歌詞が相まって中身が詰まった楽曲ですね。

その中でも私が気になったところがあって、序盤の

2人と1匹のストーリーには

岩井俊二作品くらいの彩りは無く

開始1年で見るも無惨に気が抜けちゃって

「ソーダ」/sumika

という歌詞なんですけど、それを聴いた時、岩井俊二さんを知らなくて(笑)。

「岩井俊二作品くらいの彩りって何?」と思ったので、すぐに「ラブレター」を読んだことがありました。

結局ものすごくピンときたわけではなかったんですが、少しはどういう彩りかわかった気はしたかなと。

-私も読んだんですが、わかりませんでした(笑)。

原作を読んでみるといいかもしれません!

片岡さんが感じた彩りとは違うかもしれませんが、自分の中では腑に落ちたところがありました。

-皆さんもそれぞれの彩りを感じてもらえたら面白いですね!

そこからさらにsumikaを知りたい人にオススメなのが、「知らない誰か」。

アルバム「I co Y」の特典についていた曲で、極稀にライブで演奏されます。

テーマとしては歌詞の中にある

知らない誰かをつなぐのは

今宵も知らない誰かの知らぬ歌

「知らない誰か」/sumika

という言葉通りで、sumikaを知らない人にももっと輪が広がっていってほしいという想いとも重なって。

これからさらにsumikaを好きになっていきたい人にはピッタリだと思います!

-ボーマニでやりたいことにも合致していることですね!ちなみに、koromoさんが最も好きな曲もお聞きしたいです!

敢えてあげるとすれば「アネモネ」です!

sumikaの中ではミドルテンポの曲が好きなのでその中から選びました。

失恋曲ですから失恋した時に聴くと大変なことになりますけど(笑)、その中にも明るさがあって、前向きに終わるのでそれがすごく良いです。

確かに悲しい曲ですけど、悲しいだけで終わらせないのがsumikaの良いところだと思います!

sumikaを漢字1文字で表すと…

-すごくエモい曲ですよね!最後に恒例となりますが、sumikaを漢字1文字で表していただければと思います!

やはり「住」ですね!

いろいろ考えましたが、やはりsumikaを表すのはこの字しかありません。

これがsumikaのテーマであり根幹なので、そこはぶらすわけにはいかないですね。

-なるほど!

sumikaの曲は、家や家族、友人、恋人のことを歌うことが多いんですけど、sumika=住処という居場所があるからいつでも戻ってこれるし、そういう場所を守りつづけてくれていることが素敵だと思っています。

ライブに行くといつも「おかえりなさい」という言葉で迎えてくれるし、こちらもメンバーに対して「おかえりなさい」という気持ちになります。

そういう言葉掛けがあって、ライブの最後には「いってらっしゃい」で終わる。

そういう言葉があるから、明日からまた頑張ろう、次にsumikaと会えるまで頑張ろうと思えるので、そういうライブづくりをしてくれるというのがsumikaの強みだし、sumikaにしかできないことです!

片岡さんはよくMCで「生活と生存は違う」ということを仰います。

-どういうお話なんでしょうか?

"生存"とは、ただそこに存在しているだけ、生きているだけで、"生活"はそこで活き活きと活動しながら生きていること、sumikaの音楽は生存を生活に変える魔法にしたいと仰います。

sumikaの魔法については下記もご覧いただきたいのですが、

本当にそうだと思いますし、sumikaのいる場所で生活したいなとそう思えるようなバンドだなと思います。

-すごく良いまとめをありがとうございます!多くの人にとって心の拠り所になりうるバンドなのだなと感じます。

ぜひ多くの人にsumikaの楽曲に触れてほしいと思います!

-今日はたくさんのお話をありがとうございました!

こちらこそありがとうございました!

取材協力:koromoさん
https://twitter.com/12sumika30

インタビューワー:moolee(PARA CLASSIC)
https://twitter.com/mooleesan

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