#15 「Yellow Studs」のマニアに聞きました。-前半-

アーティストの良さをそれぞれの角度から語ってもらう企画「某アーティストのマニアに聞きました。」 #ボーマニ。

今回は「Yellow Studs」について、大阪・東京を中心にDJ活動をしているAPO(ロックが流れる@東京 / やりほー@大阪)さんにお話をお伺いしました。

ー今回はYellow Studsを語っていただきます、APOさんに来ていただきました!よろしくお願いします!

よろしくお願いします!

ー簡単な自己紹介をお願いします!

口が悪くてよく踊るお兄さんです。

ーなるほど(笑)いつも明大前で開催されている「ロックが流れる」というイベントで、素敵なロックを流していただいてる方々ですよね。愛が溢れてる。

「ロックが流れる」というイベントで、最低2コーラスのフルがけ推奨という形でやっており、愛が溢れております(笑)

大体、2人+ゲスト4名お願いしているんですけど…大体僕5割くらい(流れる楽曲)知らないんですけど全部楽しい。

ーかっこよければ楽しい(笑)

かっこいい曲が流れてる、ただシンプルにそれがすごい楽しい!

ーわかります!そうですよね。そんな中で今回APOさん好きなバンドとかたくさんあると思うんですけど…

多分5回くらいボーマニも出れると思います(笑)

Yellow Studsは「ロックが流れる」というイベントが始まったきっかけのバンド

ー…もう5回やるか!(笑)と思うんですが、一番最初にYellow Studsを選んだ理由はなんですか?

一番の理由は…実はですね、このYellow Studsの『TRIANGLE』というアルバムの最後に「ロックが流れる」という曲がありまして。

僕、東京に来て4年目になるんですけどK.KAZUMAさん(ロックが流れるの共催者)と出会ったのはYellow Studsがきっかけだったんです。

ーそうなんだ!

で、色んなDJイベントで顔を合わせる度に「今日イエスタ(Yellow Studsの略称)流れないの!?!?」みたいなこと言うから「いやいやメンバー見てくださいよ、誰がYellow Studs流すんですか(笑)」ていうのをやってるうちにどっちが言い出したか忘れたものの、2人でやろうって話になって。

名前何にします?ってなった時に「ロック流さなきゃいけないだろ!」みたいな話から「『ロックが流れる』だ!」ってなってイベントが始まりました。

ーなるほど!!

という経緯とK.KAZUMAさんがBOOM BOOM SATELLITESを先に語ってしまったので(笑)…というのもひとつ。

BOOM BOOM SATELLITESの記事はこちら

もうひとつはDJイベント色々遊びに行くんですけどYellow Studs流される方が少なくて。

ー少ないですね、確かに。

自分もじゃあどれくらい詳しいのかと言われると、自分が知ったのは大体7,8年くらい前。

で、Yellow Studsが18年くらいバンドをやってる中で、自分が知ってるのってせいぜい半分くらいなので本当にこれを語るのは僭越ながらっていう感じの機会になるんですけども。

ただやっぱり周りの人でYellow Studsを語ってくれる人がいない。こういう色んな人に広める機会がある中で、自分がやらなきゃ多分誰もやってくれないのでYellow Studsやりましょう、と。

ーなるほど!ありがとうございます!

この記事も読んでくださる方多分たくさんいるので、思う存分Yellow Studsの良さを伝えていただければと思います。あ、お酒はもう全然飲みながらで良いので(笑)

…緊張してきた!!(笑)

ーもう少しアルコール入れた方が良いんじゃないかな?(笑)

(笑)

ロックやガレージ、ジャズなどなど混ざり合って、Yellow Studsというフィルターをかけた楽曲になっている

ー…よし。今APOさんがおっしゃっていたようにYellow Studsのことを知らない方もたくさんいると思うんですね。なので、まず簡単にYellow Studsの紹介をしてもらってもいいですか?

はい。

まずYellow Studsのメンバーですが、ボーカルとキーボードが野村太一さん、ギターが野村良平さん、同じくギターに奥平さんと、ベースが植田さんで、ドラムが今4代目の高野さんという方。

5人の編成でやっているバンドになります。

ジャンルとしてはロック、ガレージ、ジャズっていうのが公式にも言われている部分。

あとはポルカ、アイリッシュ系の音楽とかも混ぜてやってるしカントリーっていうんですかね…とかも混ぜながらYellow Studsのフィルターをかけて楽曲になっているというバンドでございます。

ーなるほどです!ありがとうございます!

野村良平さん…あ、野村太一さんと野村良平さんって兄弟なんですけど。

ーそうなんだ

良平さんが2008年にギターで入られてるはず。

なので最初の「バード」って曲のMVだと確か良平さんいなくて、太一さんがギター弾いてたような気がする。

ー結構歴史も長いですしね。あれっ、何年くらいやられてるんでしたっけ?

えーと、2003年からって公式で書いてたんで今年で18年ですね。

ーもう長いですね!!そっかぁ、その中で少しずつメンバーも変わっていきつつ…

そうですね、基本な構成は変わらず…という形です。

ーありがとうございます。今回Yellow Studsの色んなCDを持ってきてくださってる!笑

多分タワレコで買えるやつは一通り買っているんですけど、1枚だけライブアルバムが出てるんですよ。買ったはずなのに見つけられなくて今日は持って来れませんでした(笑)

ー色んな人に布教してた故に貸してたらどっかにいっちゃったみたいな(笑)

そうかもしれない(笑)

【魅力1】色んなジャンルが融合された楽曲

ーわかりました、ありがとうございます。そんなYellow Studsですが、APOさんが魅力に感じる点ってどういった点ですか?

…まとまってはいないんですが、まずはやっぱり楽曲。

基本的にはロックバンドなのでまずギターが2本で、ベース、ドラムがいて。プラス、ボーカルがいてっていうところにピアノ(鍵盤)が入るってなるとアクセントになる。それが上手く活かされているような楽曲。

だから本当に綺麗な、すごい美しいメロディーの曲もあれば、ガレージに振り切って太一さんがピアノ弾かずに真ん中で歌うようなゴリゴリのガレージロックみたいな曲もあれば。あとは2枚ほどアコースティックのアルバムが出てますね。

ーおお!良いですね~!

こういうやつだと太一さんがアコーディオンを弾いて、高野さんが実はバイオリンも弾けるのでドラムは叩かずにバイオリンを弾いているみたいな感じの曲もあって。

ー多才!

そう、多才。

Wikipediaとかの紹介文に書かれているような色んなジャンルの融合っていうのを本当に自分達の演奏でやってますね。まず、そういった楽曲の魅力っていうのがひとつ。

【魅力2】歌詞がどこまでも現実主義

それから、歌詞の面で言うとどこまでも現実主義というか。

-どこまでも現実主義?

あまりこう、ストーリー的な歌詞っていうのはなくて。どちらかと言うと太一さんの経験の話であったりとか、思っていることであったりとか、そういったものが反映されたような歌詞が多いところ。

なので、それを聴いて自分が頑張ろうと奮い立たされるというか。もしくはもうちょっと頑張ろうとか、しんどい時に聴いてそういう感情を感じられるような歌詞。

ーAPOさんが印象に残ってる歌詞ありますか?

歌詞かあ。えーっとね、「何でもない歌」っていう歌があって。

雨の日に作業員がびしょ濡れで作業してて、車にバシャッて水かけられて。それでも作業員が謝って一礼をして見送るみたいなシーンを描いてる歌詞があるんですけど、そのあとサビで

叫べ 夢追うごく潰し 叫べ 馬鹿にされても代償はでかいだろうけど

叫べ 夢追うごく潰し 叫べ 馬鹿にされても 最期は笑って死のうぜ

何でもない歌/Yellow Studs

っていう歌詞があって、他の曲でも死に近いような表現がすごいあるんですけど、でもやっぱり最後は生きようみたいな感じの意思を表明するような曲になってることが多い。

まぁ見苦しかろうがなんだろうが、生き抜こうみたいな感じの歌詞になってるやつが多いんですね。

もうひとつ『door』というアルバムの「夜空に願いを」という曲があるんですが、こういうのとかはもう死ぬ直前みたいな(笑)

ー死ぬ直前!?

えーと…

屋上に上がって 両手で掴んでた 柵はもう冷たい 向こうじゃ新宿が光ってる

ここで終わらせよう 一瞬だ 飛び降りればいいだけ

だけど笑ったり だけど歌ったり だけど愛された時もあったよな

夜空に願いを/Yellow Studs

みたいな。死にきれないというか、死を考えるんだけど死にきれないというか。

この曲の最後が

ダサくても結構 ダサくても結構 全て正解にすりゃいい

夜空に願いを/Yellow Studs

というフレーズで終わるんですね。

ーめっちゃいいですね…

最終的にやっぱり生き延びていこうっていうようなところに繋がる歌詞だったり、本当に暗めな曲ばっかりでしたけど…ちなみにその「夜空に願いを」の歌詞カードに

No need to check the answer till the end

「夜空に願い」をの歌詞カードに記載/Yellow Studs

とかもあって。「答え合わせは死ぬ時にすればいい」って勝手に訳してます。

ーかっこいい…!

これやってる頃…あんまり実体験のこと話さないつもりだったんですけど、このアルバムが出た頃は個人的に仕事がしんどい時期でして。

これ聴いた時に…あんまり泣いたって話したくないんでこれカットしてください…(小声で)

ー(一同笑)

「夜空に願いを」を聴いてウッてなってるところに歌詞カードの最後のやつ見て、恥ずかしながら大人になって結構な勢いで泣いたっていうことがあるんですけど。

何もしなくてもいい

前を向けているんなら

怖れててもいい 迷っててもいい

人としてもがいているのならば

夜空に願いを/Yellow Studs

そういう風な歌詞だったりとか。

ーこれだからCDとか買うのやめられないんですよね~!!!

そうそうそう!!!

…あとはもう、「やってやんぞ!!」みたいな感じの曲も。

『ALARM』っていうアルバムに「脱線」っていう曲があって、これは僕の周りの人にも勧めた時にも結構気に入ってくれる曲なんですけど…2番の歌詞がね、すごいんですよ。

企業戦士なのですか? それとも社畜なのですか? 当のお前はどっちだと思ってる?

洗脳されてはいませんか?常識に犯されてはいませんか? 当のお前は何をどうしたい?

脱線/Yellow Studs

ときて、サビのところで、

正気かい? おいおいそれでいいのかい?お前がハンドルを握れ

まだまだ時代は回る いざとなったらば しちゃえ ドロップアウト

脱線/Yellow Studs

となっているんです。えー、これは自分の感想を伝えるのではなく是非体感してほしいので、聴いてください。

他にもめちゃくちゃかっこいい曲いっぱいあるんで。

ーもう、歌詞が刺さりますもん私も今!なんか、ロックですね、もう。ロックというひとことで終わらせちゃいけない気はしているんですけれど。

なんていうか、こう…これだけCDを出しているもののメジャーにいってるわけでもないですし、大きなフェスに出るわけでもない。ちょっと燻り続けている。すごい悔しいんですけど、燻り続けているバンドなんですよ。

それでもこのYellow Studsがかっこいいと思っていて、バーン!と売れてほしいなと思っているんですよね。

ーそうですね、是非是非応援したいですね。

中盤につづく

おすすめの曲のプレイリストをAPOさんが作ってくださったので、みなさん是非聞いてみてください!

30分ver

1時間ver

Yellow Studs HP
https://www.yellowstuds.net/

取材協力:APO(ロックが流れる@東京 / やりほー@大阪)
https://twitter.com/singoloid

インタビューワー:moolee(PARA CLASSIC)
https://twitter.com/mooleesan

撮影:spot (SURROUNDTYPE / LIKE MAGIC!)
https://twitter.com/pellucid_night

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