#6 「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のマニアに聞きました。ー後編ー

アーティストの良さをそれぞれの角度から語ってもらう企画「某アーティストのマニアに聞きました。」 #ボーマニ。

今回は「ASIAN KUNG-FU GENERATION」について、東京都を中心にカメラマン・DJ活動をしているYÄMATOさんにお話をお伺いしました。

ーそれではYÄMATOさん、「ASIAN KUNG-FU GENERATION」(通称:アジカン)について語っていただきたいと思います。後半もよろしくお願いします!

よろしくお願いします!

前半はこちら。

アジカンの魅力は3本柱

ー前半でアジカンにそこまでハマった理由として歌詞と楽曲とアートワーク。この3本柱があると伺いました。

はい。

歌詞のところでは、アジカンって英語の歌詞ほとんどないんですよ。デビューする前はほとんど英語の歌詞で作ってたらしいんですけどね。

ーそうなんだ!

あ、それはウィキペディアで見ました(笑)

ー(笑)

1・独特な日本語表現

まず、歌詞は独特な日本語表現がいいですね。

1曲例として出させてもらうと、「マジックディスク」というアルバムの「新世紀のラブソング」っていう曲があって

ーいい曲ですよね。

この曲の最後の方にある

息を吸って 命を食べて

排泄するだけの猿じゃないと言えるかい?

新世紀のラブソング/ASIAN KUNG-FU GENERATION

という歌詞だったりとか、あ、これは自分では言えない!みたいな。

ー確かに〜!

そういうそのズシっとくる日本語表現をされていたり。

あと2つ目が遊び心がある歌詞というところで、「ランドマーク」というアルバムの「All right part2」という曲があるんですけども、この曲歌詞を読んでいくと、あいうえお・あかさたな順なんですよ。

ーへえ!

居間のソファーの肘掛け

うずくまる猫と

エディと言う名の犬の模型

起き抜けに濃い珈琲を注いで

All right part2/ASIAN KUNG-FU GENERATION

縦に見て行ったらあいうえおじゃないですか。

ーはい。

で、これが続いて行って最後わをんと来るんですけど、これは

和音

言葉遊びは此処まで

意味を捨てて さぁ

All right part2/ASIAN KUNG-FU GENERATION

と繋がるんですよね。

ーじゃああいうえおからわをんまで、50音全部使って?

そうそう!繋がるんですよ。

ー面白い!

そういうところだったりとか、あとはGotchとかすごいTwitter活発で。

風刺とかするような歌詞が結構多くて。

ーほお

僕がハマるきっかけとなった「ワールド ワールド ワールド」というアルバムがあるんですけど、その中に「No.9」という曲がありまして。これは憲法第9条を表しているんですね。

ミスター・パトリオット

もう何も落とさないで

同じことで もう誰も泣かないでくれ

繰り返さないで

No.9/ASIAN KUNG-FU GENERATION

という歌詞だったりとか、結構そういう社会情勢を風刺したりだとかもあるのが、アジカンの魅力の1つなのかなってのがありますね。

ーなるほど!結構TwitterとかでもGotchは社会情勢について発信していたりとかも??

そうですね。

アジカン好きな人だったら結構思うことだとは思うんですが、結構ライブとかいってもよく喋るし、ネット弁慶なところも結構あるので、またTwitterでGotchが何かやっているな、みたいなものはちょくちょくありますね(笑)

ーちなみに、作詞ってGotchがされているんですかね。

そうですね。基本的にはほぼGotchが作っていて、時々ベースの山ちゃんが入ってくる感じですね。

ーそしたらGotchが文学的なんですね。

そうですね。まあGotchがうるさいだけなんですけどね(笑)

ーこれ大丈夫?!炎上しない?笑

これは好き故のと思ってもらいたいです!笑

多分アジカン好きな皆さんは、あ〜わかるわかる、と言ってくれると信じてる。

ー(笑)

ーそしたら、これまでの歌詞が1つ目。2つ目が楽曲ってところですよね?

はい、楽曲ですね。

2・聴くごとに味がでる楽曲

ドラムの伊地知潔がもともとマーチングバンド出身らしくて、アジカンの中で有名なことだと「ブルートレイン」を叩くのって難しいとか言うじゃないですか。

ーあー、言いますね。

バンドが好きな人とか、楽器が好きな人だったら聞いたことあると思うんですけど、独特的な奏法をするというのが結構有名で。ストレートな8ビートとか四つ打ちとかでも、安定感はあるんだけども手数が多かったりだとか。え、何その動き?!ってところがあるんですけど、そこは逆に聞いてて心地よかったりだとか。

そういうところが魅力のひとつ。

ーほ〜。

で、ベースの山田もThe山田って感じでブレないと言うか、安定感のあるリズムに対して、Gotchとか喜多さんの王道の歪みだったりとか。

GotchがDelayとかを多く使うんですが、そういう音遊びも含めて楽曲の魅力かな。

よくスルメみたいっていう言い方もすると思うんですけど

ー噛むごとに味が出るようなね。

聴くごとに味が、みたいな。気づいたらハマっている、みたいなことも結構多くて。

ーあ、この音もあったんだ!とかこんな工夫もしているんだ!みたいなこともわかってきますもんね。

やっぱそういう楽曲が多いんだなというのが個人的な印象というか。そういうのはありますね。

ー魅力は3つありましたよね。

そうですね。

最後の3つ目はアートワーク。ジャケットのところですね。

3・中村佑介さんが手がけるアートワーク

アジカンのジャケットに関しては、ほぼ中村佑介さん。結構有名だと思うんですけど、彼が手掛けてまして。他のアーティストと比べても一線を画すというか。

調べた感じだと、ずっと同じアーティストさんのジャケットをずっと同じ人が作ったりすることってほぼないらしくて。

ーそうなんだ!

アジカンくらいらしい。

中村佑介さんの絵を見れば、あ、アジカンの絵の人だ!みたいな

ー私もそのイメージすごいあります。

ありますよね!

やっぱりそういう耳だけじゃなくて、目でもこうやって楽しませてくれるところも魅力のひとつで、ジャケットの中に細かい遊び心もあって。手話でアジカンを書かれていたりだとか、過去の作品がそこのジャケットに盛り込まれていたりだとか、歌詞が入っていたりだとか。

そういうのは結構あるんで、目でも楽しめるジャケットなのかなっていうのも魅力ですね。

ー中村佑介さんってさだまさしさんのCDジャケットとかも手掛けてらっしゃるんですね。

そうです!

あとはモーモールルギャバンとかも、確か。

ーあとはアーティストだけじゃなくて、小説「夜は短し歩けよ乙女」の絵とか。

そうですね、小説とかも書いていたりだとかもしてますね。高校の音楽の絵とかも書いてます。

ー確かにそうだった気がする!

めちゃくちゃ羨ましくて、教科書欲しい(笑)

ライブはアレンジが多め

ーライブは行かれたことありますか?

僕ライブに初めて行ったのが結構遅くて。

実家が田舎だったので、、、2013年に横浜で実施されたデビュー10周年のライブが初めて行ったライブですね。

そこからツアーやるってなったら、関東圏のライブには行くようにしてます。

ーライブはどんな感じですか?結構喋るってお話しは聞いたのですが、、、

なんだろうな。

ライブでのアレンジが結構多くて。間奏長かったりだとか。

わかりやすいので言うと「リライト」が、2016年にアルバム「ソルファ」で再録されたじゃないですか。

ーはい。

その時の「リライト」って間奏めっちゃ長いじゃないですか。ああいう感じで、結構曲によっては間奏にそういうDelayを使ったりだとか、アレンジを効かせてライブオリジナルの楽曲にしちゃったりとか結構あって、そこも魅力のひとつなんですよね。

ーほ〜。

あとはまあよく喋るって感じです(笑)

ー(笑)どんなこと喋るんですか?

大体、ドラムの伊地知潔がYouTubeで料理チャンネルをやっているって伝えていて、そこへの嫉妬じゃないですけど、まあ潔モテてるからな、みたいな他メンバーへの嫉妬とかそう言うのがGotchのトークでは多いですね。

ーそうなんだ。モテたいのかもしれないですね。

かもしれないですね。

ー私、野外フェスとかで聴くアジカン、すごい気持ちいいなと思うんですけど。

あ〜、わかります!

アジカンは日常に溶け込んでいる

ーYÄMATOさんはどんな時に聴くアジカンが好きですか?

どんな時か!どっちかというと楽しい時に聴くとか、元気になりたい時に聴くとかあると思うんですが、僕はなんかBGMのようにずっと流しているんで、ルーティーンで出社の時に1つのアルバムを聴き、それこそ電車乗るんであれば「サーフ ブンガク カマクラ」を聴いちゃうとか。

ほぼ聴きっぱなしが多いですね。

ーそんなに聴いているバンドなんですね。

そうですね、なんだかんだ。

初めに聴くなら「マジックディスク」というアルバムを

ーその中で、アジカンをあんまり聴いてこなかった人だとか、これから聴いて欲しい人に対してこれは最初に聴いて欲しい!これはおすすめだ!みたいな曲ありますか?

そうですね。

今一番聴いて欲しいアルバムで言うと「マジックディスク」というアルバムがあってちょうど今日持ってきてて。

ーお〜!ありがとうございます!!!

皆多分「リライト」「遥か彼方」「アフターダーク」とかかな、アニソンで起用されているアジカンの曲を聴いていると、結構ゴリゴリロックっていうイメージがあると思うんですけど、もっとこう叙情的というか歌詞に聴き入れることが多いアルバムかなと思ってて。

1曲目がさっき紹介させてもらった「新世紀のラブソング」から始まって、最後が「ソラニン」。その間にも沁みる曲がすごい多いなというのがあって、それこそ何かをする時に聴くというよりかは1枚を流して聴くような生活のBGMにしてもらって、好きな曲とかを見つけてもらえればなと思います。

ーなるほど。そしたら曲というよりかは、アルバムを通して聴いて欲しいという感じですね。

そうですね。この「マジックディスク」というアルバムをまずは聴いて欲しいかなというのが個人的な想いです。

歌詞を重要視している人には是非聴いて欲しい

ーこういうバンドが好きな人には是非聴いて欲しい、みたいなものってあったりしますか?

結構人それぞれバンドとか音楽を聴く上で重要視している部分ってあると思うんですけど、歌詞をよく聴きたいという人にはやっぱりお勧めしたいですね。

音楽ってところだけだと別に歌詞は入ってこないと思うんですけど、最初は聴きながら歌詞でこういうこと歌っているんだなと思いながら歌詞カード見返してみると深みがあったりだとか。さっきお伝えしたように、言葉遊びがあったりするようなこともあるので、音楽というのにプラスして、歌詞を重要視している方がいればアジカンの曲は刺さることが多いのかなと思いますね。

ーいろんな曲のURLとかも載せておくので皆さんに聴いて欲しいですね。

はい、是非是非!

ASIAN KUNG-FU GENERATIONを漢字一文字で表すと「青」

ーYÄMATOさん、最後になるんですけどもASIAN KUNG-FU GENERATIONを漢字一文字で表すとどんな漢字になりますか?

漢字で表すと?!?!

なんだろう、、「青」かなあ。

アジカンの曲ってイメージ的に僕の中でなんですけど、青っぽい曲が多いイメージがあって。

ーなるほど〜

例えば、僕が最初に買った「或る街の群青」にも青があるし、雨とかをテーマにする曲もあったりするから、赤とかそういうイメージよりかはそういう関連色の青という印象が強いかな。「ブルートレイン」も青だし。

ー最後に無理難題を押し付けて失礼しました(笑)

ーそれではね、これがASIAN KUNG-FU GENERATIONを好きになるきっかけだとか、好きな人もさらに好きになるきっかけになったらいいなと思っております。本日はありがとうございました!

ありがとうございました!

ASIAN KUNG-FU GENERATION HP
http://www.asiankung-fu.com

取材協力:YÄMATO
https://twitter.com/dec23_ymt

インタビューワー:moolee(PARA CLASSIC)
https://twitter.com/mooleesan

撮影:spot (SURROUNDTYPE / LIKE MAGIC!)
https://twitter.com/pellucid_night

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