アーティストの良さをそれぞれの角度から語ってもらう企画「某アーティストのマニアに聞きました。」 #ボーマニ。
今回は「[Alexandros]」について、名古屋を中心にDJ活動をしている膝かっくん(FILLOUT / Engrave / Overstepping / BLITZ / LiTTLE DEViL PARTY)さんにお話をお伺いしました。
ー今回は [Alexandros]について語っていただきます。膝かっくんにお越しいただきました。まずは、膝かっくんの自己紹介をお願いします!
名古屋を中心にDJをやっている膝かっくんといいます。
FILLOUT、Engrave、Overstepping、BLITZというイベントの主催とLiTTLE DEViL PARTYというLiSA特集イベントのレギュラーメンバーもやっています。
新しい曲が出るたびに違った一面を魅せてくれる[Alexandros]
ーまず、簡単に[Alexandros]のことについて紹介いただいてもいいですか?
2001年結成、ギターボーカルの川上洋平さん、ベースの磯部博之さん、ギターの白井眞輝さん、ドラムのリアド偉武さんの4人組で活動しているバンドです。
前ドラムの庄村聡泰さんが病気で勇退されて、サポートメンバーであったリアド偉武さんが最近正式メンバーに加わりました。
ー20年くらい活動されていますね。
長く活動されています。
2010年にRX-RECORDSというレーベルに加入し、2014年にメジャーデビューしています。
ーなるほど。川上洋平さんは若く見えるので結成歴の浅いバンドなのかなと思っていました。私が知った当初は元ドラムの聡泰さんが洋服着てなかったり、そういう意味でも衝撃を受けたバンドでした。
ありましたね。
だいぶ遅咲きなバンドではあると思います。
ージャンルで言うと、どんな曲調が多いですかね?
これが結構難しくて…。
あとで詳しく語ろうと思ってたんですけど、最近の曲だとタイアップも多くて、J-POP寄りのポップな曲が多いんです。
元々、ライブでもOasisのカバーをするくらい、川上さんと磯部さんがUKロック好きなんです。
がっつりしたギターロックをやる時もあれば、いろんなジャンルのテイストをどんどん加えていくバンドなので、一言で表すのが難しいですね。
ーなるほど。そしたら[Alexandros]の魅力はどういう所がありますか?
新しい曲が出るたびに違った一面を魅せてくれる多彩なところがあります。
昔の名前([Champagne]・読み方:シャンペイン)の時はがっつりとしたギターロックでしたが順を追って昔の曲から遡っていくと、途中からキーボードのROSEさんという方がサポートで入って、だんだん音数が増えていったり。
改名してからタイアップなどがありポップな曲を書くようになったり。BLEACHの映画の挿入歌の「MILK」って曲で、英語でラップをしてたりとか。
違った面を見せてくれたり、年々進化していっていたり、というところが魅力の一つかなと思います。
ー確かに、「これもドロス([Alexandros]の略称)の曲なんだ」と思う曲も私自身あったりしますね。是非皆さんにも順を追って聴いてほしいので、特徴的な曲やお勧めの曲など順に教えてもらえますか?
初期の頃だと「For Freedom」
この曲はライブでもやっている曲で、がっつりとしたギターロックの曲です。初期の粗削りな感じが出ていいと思います。
あとは「Don’t Fuck With Yoohei Kawakami」
この曲のMVは無いですが、川上洋平さんがまだ働いている時にムカついてた衝動で書いた曲です。
なので、今では見られないような荒い歌詞が書かれていたりします(笑)
ーメジャーデビューした今だと、ニュースになりそうですね(笑)
はい(笑)今じゃ想像もつかないような内容の曲です。
アルバムを辿っていくと、次は「city」ですかね。
ー大好きな曲です!
僕も大好きな曲です。
最初の頃のギターの音は粗削りな感じがありましたが、やはり綺麗な音色というか、聴かせてくれるエモーショナルな曲に仕上げてきたなという感じがします。
ー確かに、間奏も含めてそのイメージがありますよね。
そして、そのあとの「kill me if you can」のあたりからまた少し変わりました。
思い切りベースラインから始まる曲は今までにない路線でした。
あとは曲も特徴的で、サビもそこまで上げ切らないというか、ゆっくりとサビまで上がっていって、また下がって。
曲の中の波みたいなのが特徴的で、聞いた時衝撃を受けた曲でした。
「あっ、こういうこともできるんだな」っていうのも魅せてくれた曲でしたね。
ー確かに。当時の[Alexandros]の中では代表曲の一つとなっていて、すごいなと思っていました。
限定のシングルカットもされていますが、あれを代表曲にするのはなかなか尖ってるなと思ってました。
そこまでは4人体制のがっつりとしたギターロックだったのに、その次の『Me No Do Karate』というアルバムから同期音とかシンセ音が入っていています。
ライブでもよくやる「Kick & Spin」は、思い切りシンセ音が鳴ってたり、間奏でドコドコツーバスを踏んだり、今までになかったようなテイストが加わっていて。
実際今でもライブでアンコールでやったり、メンバーも気に入ってやってる曲です。
ー今でもライブでやってくれるのは嬉しいですね。
そうですね。ここがちょうどバンド名が変わる直前くらいの曲なんですが、ここからどんどん多彩な感じになっていきました。
[Champagne]から[Alexandros]へ変わった理由
ーバンド名はもともと[Champagne]だったはずですが、なんで[Alexandros]に変わったんですか?
フランスのシャンパーニュ地方から名前を変えるように申請があったらしいです。
日本武道館公演の直前でした。忘れもしないライブで…。
ーとても衝撃でしたね…!
武道館ライブの3日前に、プレミアムVIPパーティーという年に1回やってる自主企画のライブをやっていて、そこで「武道館をもって名前を改名します」と急に発表され、とても衝撃を受けました。
ーそれはライブにも行くしかないですね。
ライブの本編までは[Champagne]、アンコールからは[Alexandros]ですと言って出てきました。
ー忘れられないライブだ。
今までの人生で一番思い出に残っているライブですね。
ちょうどもうすぐ8年ですね。
ー改名してから曲調も含めイメージもガラッと変わったところとかもありますよね。
そうですね、やっぱりメジャーデビューというのが大きいと思います。
タイアップ曲はポップな曲が多いんですけど、アルバム曲を見ていくと昔の感じを残していたり、アルバムの中でも色んなことをやっています。
タイアップ曲を聴いて昔と変わってしまったという人もいると思いますが、そういう人にこそ個人的にアルバム曲を聴いてほしいなと思います。
ーちなみにポップ寄りというのが顕著なタイアップ曲って何になりますか?
やっぱり一番有名な「ワタリドリ」ですかね。
あとは、3年前ぐらいのアクエリアスのCM「月色ホライズン」という曲もポップでさわやかな感じです。
ー確かに。その辺はポップ寄りですね。一方でアルバム曲の中でこの曲は昔から聴いていた人たちにも聴いてほしい曲ってどの曲になりますか?
昔の激しい曲「For Freedom」とかが好きだった人なら、「I Don’t Believe In You」という曲ですかね。
今の色んなシンセの音も使いながらも昔のテイストを残した疾走感のあるかっこいい曲になっているので、昔の激しい曲が好きな方にはぜひ聴いてほしいです。
あとは、「閃光」
MVに昔の曲のオマージュをいっぱい入れてくれていて、「For Freedom」のMVの洋平さんが鼻に絆創膏を貼って歌っているのがオマージュされていたり。
あと「city」のMVのオマージュがあったり。
「昔のことも忘れてないんだよ」みたいな想いが感じ取れます。
ちょうどドラムが入れ替わったタイミングの曲でもあったので、前ドラマーの存在も残しつつ、今があるんだなっていうことを想起させてくれるMVに仕上がっています。
曲自体も疾走感のある曲なので、ドラムが変わって複雑な気持ちもあったんですが、この曲を聴いてすっきりしたところもありました。
すごくいい曲なので是非聴いてほしいです。
ーまさに昔好きだった方が「[Alexandros]変わっちゃったよね」っていう声はどうしても一部あるなと思っていて。もちろんそういう人たちに対してのメッセージも込められてる曲とかもあるんだろうなと思いつつ、膝かっくん的にはどういう感想を持っているのか、どういう気持ちで好きなんだろうみたいなところが気になっていました。
周りには年上の方が多いので、[Champagne]時代が好きだった方が多いんです。
ただ、僕が[Champagne]を好きになったのが改名直前でして、改名は2014年で、僕が知ったのは2013年の頭くらいなんですよ。
そこからライブ観て改名の瞬間に立ち会いましたが、昔の曲ももちろん好きですし、DJイベントで聴いたりライブで聴いても盛り上がりますよ。
そんな中で、昔が好きだったって言われるのもしょうがないとは思います。
色んなジャンルとかテイストを加えて、どんどん新しい曲に挑戦しているバンドだと思うので、やっぱり変化についていけないっていう方はいると思います。
しょうがないことだと思うんですよ。
ー確かに。
ただ、挑戦し色々変化していく中で、昔を思い出させてくれるようなMVや曲を出してくれたりもしています。
この記事読んででもいいですし思い立った時でもいいので、サブスクとかレンタルショップにもある、今のアルバムを聴いてほしいなと思います。
ー(2022年)7/13にも新しいアルバムが発売されたとか?
そうなんです!
新体制になってから初のアルバムである『But wait. Cats?』では、アルバムタイトルから活動初期を思わせるようなタイトルになっていて。
特にこのアルバムに収録されている「Bady's Alright」という曲は[Champagne]時代を思い出させてくれるような曲なので、最近[Alexandros]を聞いてない方に必聴してほしいアルバムになっています!
ーメンバー自身も昔の事を忘れていないところとか、挑戦しているからこそなんだという膝かっくんの話を聞いて、なるほどなと思いました。私も最近の曲は聞けてなかったので、もう一回ちゃんと聴こうって思いました。
ありがたいですね。
ーこちらこそありがとうございます。
あと「昔好きだったよ」って方にアルバムだけじゃなく、ワンマンライブなどに観に行ってほしいと思います。
ーライブはどのような感じですか?
もちろんアルバムツアーだとアルバムの曲がメインになるので新しい曲が多いですが、しっかり昔の曲を入れてくれるんですよ。
ツアーを回るワンマンライブの時って、地域によってセットリストを変えたり、「あっ、その曲やるんだ」みたいな曲まで入れてくれたりします。
今も昔も含めて全て[Alexandros]として楽しめるので、チケットはなかなか取れなくなってきてはいますが、ホールやアリーナでのライブも増えてきているので、機会があったら行ってみてほしいですね。
ーありがとうございます。
[Alexandros]を知らない方へ!おすすめ曲紹介。
ー次に、J-POPが好きな人たちに対してのオススメ曲と、ギターロック系が好きな人たちに対してのオススメの曲って変わってくると思うので、それぞれ教えていただけますか?
[Alexandros]になってからの曲だと、「ワタリドリ」は絶対かな。
先ほどお伝えしたように、一番有名な曲だと思いますが、知らなければまず聴いてほしいなと思いますね。
あと最近の曲だと「風になって」ですかね。
これは車のCMのタイアップで、すごく聴きやすいです。
「ワタリドリ」を聴いてこのバンドいいなって思った人は、「風になって」も是非聴いてほしいです。
ーありがとうございます。一方でギターロックが好きな人たちに対してのおすすめ曲はなんですか?
ギターロック好きなら、こちらも先ほど紹介しましたが、まずは「閃光」ですかね。
個人的に僕もギターロックが好きなので、歌詞よりも曲の雰囲気とかギターの音とかでこの曲好きだってなることが多いんです。ただ、「閃光」はイントロのギターリフから「あっ、好きだな」ってなりました。
あと、やっぱり「city」
[Champagne]時代の曲の中で一番好きな曲ですし、何度ライブで聴いても泣ける曲です。
ーライブ行く毎にどんどん思い入れが重なっていきますよね。ちなみに私事になりますが、「12/26以降の年末ソング」が大好きなんです。これを聴いたら年越しの準備を始められるなみたいなイメージがあって。
分かります。
だから、年末フェスとか冬フェスで、それこそCDJ(Count Down Japan)でだいたいやってくれるので「あっ、年末だ!」ってなるんですよ。
ー分かります。共感してくれてよかったです(笑)
[Alexandros]を漢字一文字で表すと「多」
ーでは最後に、膝かっくんにとって[Alexandros]を漢字一文字で表すと何になるかお伺いしてもいいですか?
そうだなあ。
すごく悩みましたが、自分の中では多数決の「多」かな。
多彩な部分や多くのことに挑戦し続けているバンドって意味での「多い」でもありますし、自分にとってたくさんの思い出があるバンドなので、そういうところにかけて「多」って漢字一文字になるかなと思います。
ー聴いてくたびに色んな自分の思い出も重なって、どんどんその曲の良さって深くなっていきますよね。
あとは、もっと多くの人に愛されるバンドになってほしいなって思います。
今はタイアップも増えて、人気になりました。
昔からのファンではないんですがやっぱり好きで追っかけてきたバンドなので、こうやって多くの人に聴いてもらえるのが嬉しいんです。
だけど、本人たちの目標でグラストンベリーっていう海外のフェスに出るというのを昔から目標にしていて、海外に向けて活動していくというのも昔から言ってて。
「閃光」をきっかけに海外の人にも聴かれるようになってるという記事を最近読んだので、日本だけじゃなくて世界的にも多くの人に聴いてほしいなっていう思いも込めて、「多」って漢字にしました。
ー応援しましょう!この記事は日本語でしか出さないですが、日本人が興味を持ってくれるきっかけとなったらいいなと思います。[Alexandros]を語ってくれた膝かっくんでした。ありがとうございました!
ありがとうございました!